PTとケアマネ民生のブログ【フィジマネブログ】

理学療法士が医療に絡めて色々書いていく雑記ブログです

『ゲーム障害』は、どこからが障害なのか?

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WHO(世界保健機関)は、国際疾病分類第11版に『ゲーム障害』を、新たな精神衛生疾患として分類しました。

でも実際に『どんな症状がでるの?』『どこからが障害なの?』と気になっている人も多いのではないのでしょうか?

 

かく言う僕も、暇な時間にスマホやテレビでゲームをしているプレイヤーの1人なのでとても気になります。

 

と言うことで今回は、

・どんな症状がでるのか?
・どこからが障害なのか?

を現状発表されている点からまとめていきたいと思います。

 

 

 

序文:日本人のプレイヤー人口は?

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CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)は、2015年のゲーム利用などに関する調査結果をまとめた報告書「2016CESA一般生活者調査報告書 ~日本ゲームユーザー&非ユーザー調査~」を発刊しました。

これによれば、日本全体でのゲームを継続してプレイしている人口は4,336万人と推計され、その中でもスマホ・タブレット用ゲームの継続人口が最多で、3,099万人と推計されています。

あくまで推計ですが、日本人口の約3人に1人がゲームをプレイしていることになります。

 

さらに詳しくゲームユーザーに関する情報を知りたいという方には、全国の政府刊行物取扱店にて販売されているので、チェックしてみてください!

■2016CESA一般生活者調査報告書 ~日本ゲームユーザー&非ユーザー調査~
・発売日:2016年3月22日(火) 好評発売中
・価格:6,480円(税込)

https://www.cesa.or.jp/survey/book/ippan/detail002_2016.html

 

 

ではこのプレイヤーの中で、どんな症状が出たら『ゲーム障害』とみなされるのでしょうか?

 

ゲーム障害の症状とは?

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ゲーム障害には、主に3つの特徴的な症状が示されています。

 

  1. ゲームが他の活動よりも優先され、他の活動が周辺に押しやられる。
  2. 抑制が効かなくなって、たとえ悪影響が出ていても中止できずにエスカレートする。
  3. 対人関係や社会生活などに重大な支障をきたし、睡眠の乱れや食生活の問題を引き起こす。

 

これらの症状が一年以上続く場合に、ゲーム障害という診断がなされると言います。

ただし、特に進行の早いとされる幼少期においては、全ての症状にあてはまり重症であれば、より短い期間でも依存症とみなすとしています。

 

これらの症状は、病的賭博(ギャンブル依存症)や薬物依存症の症状と似通っていると言われています。

精神衛生疾患として登録された理由として、ゲームに夢中になり社会生活が破綻することを予防したり、カウンセリングなどの治療につなげたりという観点からと考えられます。

 

『ゲーム障害』の人はどれくらいいるのか?

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ただ集中的にゲームをしているだけでは障害とは分類されません。上記のような3つの特徴が1年以上続いている場合に障害とみなされるので、まだ正確なデータではないですが、ゲームしている人の2〜3%ほどではと言われています。

それでも、厚生労働省の研究調査によれば、中高生の約52万人がゲームなどのネット依存の恐れがあると推計しており、若者のゲーム障害の罹患率は今後上昇する可能性があります。

 

ゲーム障害を予防する方法は?

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1番の予防法は、早期発見だと言われています。ゲームに依存しすぎていないか、それによって生活に支障をきたしていないかなどを、周りの人達が注意深く観察する事が重要と言われています。

日本国内でネット依存の相談ができる医療機関は現在25箇所程度あり、国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)などがあります。ゲーム障害が疑われる場合、こういった専門機関に相談してみるのが早期発見に繋がると思われます。

 

デジタル社会における弊害に対して、今後もこういった専門外来が増えてくれる事を祈るばかりです。

 

本日は以上です、最後まで読んでいただきありがとうございます。