PTとケアマネ民生のブログ【フィジマネブログ】

理学療法士が医療に絡めて色々書いていく雑記ブログです

マネジメントとリハ栄養との出会いの話

療法士の資格をとって就職して8年目、思えば20代前半はあんまりこれといった目標もなく、なんとなく仕事をこなしてた。

 

今考えると専門職として、患者様から生時にも「先生」と呼ばれる身として、あまりにもプロ意識がなかったような。先輩の療法士の後ろについて、守ってもらってばっかりだった。

 

何年かして後輩が増えて、同期がどんどん先に進んで、自分の「今まで何もやってこなかったこと」に後悔と焦りが出てきて、やっと尻に火がついてきた。

 

でも具体的に、これから自分は何をすべきなのかはまだ見えてなかった。

 

 

マネジメントとの出会い

 

そして去年、ケアマネージャーの勉強をしてなんとか試験に合格し、研修を受けてきた。患者様の「ケアマネジメント」の考え方、取り組み方や事例ごとの対応など色々な事を研修の中で教わった。そして、「リハビリだけでなく、患者様の生活全般をマネジメントしてみたい」という考えが自分に生まれた。

 

また、研修を受けて行く中で「マネジメント」に興味を持ち始め、同時にP.F.ドラッカーのマネジメントの本も読み進めた。

 

【エッセンシャル版】マネジメント〜基本と原則〜のマネジメントの役割の冒頭を引用させてもらうと

企業をはじめとするあらゆる組織が社会の機関である。組織が存在するのは組織自体のためではない。自らの機能を果たすことによって、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすためである。組織は、目的でなく手段である。従って問題は、「その組織は何か」ではない。「その組織は何をなすべきか、機能は何か」である。

 

これを読んだ時に鳥肌が立った。と同時に、今までの自分の考え方に嫌気がさしてきた。その時は自分のいる組織をどうするかということばかり考えていたからだ。

 

上の文章を自分のものに置き換えると

“病院が存在するのは病院自体のためではない。病院の機能を果たすことによって、地域社会、地域住民とのコミュニティ、患者個人のニーズを満たすためである。病院は、(地域住民にとって)目的でなく手段である。従って問題は、「この病院は何か」ではない。「この病院は(地域社会のために)何をなすべきか、(患者様のニーズを満たす)機能は何か」である。”

 

恥ずかしながら、その時この考えを再認識し、「患者様のために何をすべきか」を考え直すきっかけになった。

 

リハ栄養との出会い

リハビリと栄養状態の関連は学生の時から何となくわかっていた。低栄養状態で筋トレをすることで、逆に筋内タンパク質の分解を促し筋力低下を起こすため、離床を妨げる。

わかってはいたが、当時は栄養士とのそう言ったやり取りはあまりなく、栄養は『管理されているもの』と考えてあまり深く注意していなかった。

 

去年になり新しく言語聴覚士(以下ST)がスタッフに加わり、そのSTさんから、『NSTはうちの病院はしないんですか?』と尋ねられた。

NSTという言葉自体知らなかったので、STさんに概要を聞き、家に持ち帰ってネットで調べた。

 

栄養サポートチームというものであり、チームで回診・カンファレンスを行い、入院中の栄養サポートを他職種で実施するというものだった。必要職種が研修を受けて実施すれば加算もある。

 

ただ、リハ職種は必須職種に入っていないこと、各職種に研修に行ってもらわなければいけないことなどがあり、他職種に理解が得られなければ実施できない可能性がある。と色々考えている時、検索結果にリハ栄養と言うのがあった。

 

リハ栄養は、栄養状態も含めて国際生活機能分類で評価を行ったうえで,障害者や高齢者の機能、活動、参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うというもの。

 

リハ栄養の主な内容としては

低栄養や不適切な栄養管理下におけるリスク管理

リハの時間と負荷が増加した状況での適切な栄養管理

筋力・持久力などをより改善させる栄養管理

の3つである。

 

『これならリハビリと栄養士でチームを組めばできるし、生活機能にも直結していて自分のやりたい事に近いんじゃないか?』と思い、栄養士さんに声をかけるとなんと栄養士さんもやりたかったそう。

 

栄養士さんの持っていたリハ栄養の参考書(リハビリテーション栄養ハンドブック:著 若林秀隆先生)を借りて、読んでいくうちに理学療法士として栄養管理をしっかり考慮すべきものだと感じた。

 

さらにちょうどその時、たまたま県内でハンドブックの著者:若林秀隆先生の講演を聞ける機会があり、挨拶する機会も与えてもらい、よりリハ栄養チームとして携わりたい思いが強くなった。

 

現在とこれから

こうして先輩方にも手伝ってもらいながら、今は栄養士、PT、OT、STとリハ栄養のチームを組んでいる。まだ試行錯誤しながら進めている途中だが、まずは院内でのリハと栄養管理の重要性を広め、最終的にはNSTも院内でスタートさせて、より多くの患者様のQOL向上を目指したい。

 

 

長文失礼しました。最後まで読んでいただきありがとうございます。